あなかしこし

すきなようにするよ

NAIST合格体験記【2022年度】

こんにちは、本当に久しぶりの更新です。

この度、私はNAIST情報科学領域に進学することとなりました!!

 

NAISTの正式名称は奈良先端科学技術大学院大学と言いまして、大学院のみが設置してある大学です。名前が長いので履歴書書くとき面倒やろな

このような大学院大学は日本国内に複数ありますが、入学者目線での大きな特徴として院試が必須であるということが挙げられます。

大学院進学は結構学部から推薦で持ち上がりという人が多く、特に大学院大学の入試となると得られる情報が大きく限られてきます。

私も実際に受験を決めてから情報をほとんど得られなかったので、先輩たちの偉大な合格体験記から情報を得ました。そこで私も書いておこうと言うわけです。

(本音は合格体験記を書いてみたかった)

 

あくまでも体験記なので「こんな人もいるのね」くらいで読んでください!

 

私の受験時の状況

地方国立工業大学生

TOEICのスコアはB1のときに強制的に受けさせられたときの540点(IP)

自大とNAISTの2校を受験

就活はしてない

NAISTで専攻を変える(宇宙システム => 情報(ソフトウェア系))

GPA 2.56/4.00 (テスト勉強ほとんどしない

受験時の資格 基本情報技術者

実績 ハッカソン複数回受賞

 

 

NASITの受験スケジュール

Twitterが日記代わりなのでそこから大体の情報を拾ってきました

 

9/27(B3) アポ無しでNAISTへ行く
11/28~(B3) 1回目のTOEIC受験&TOEIC勉強開始
1/30(B3) 2回目のTOEIC受験
2/27(B3) 3回目のTOEIC受験
3月中旬(B3) 研究室アポを取る(1つ目)数学の勉強開始小論文がそのようなものなのか確認
4月中旬 研究室アポを取る(2つ目)小論文を書き始める&論文を読み始める基本情報技術者試験の勉強を始める
5/14 オープンキャンパスで研究室訪問
5/17 小論文の草稿を書き始める
5/22 基本情報技術者試験受験
5/24 小論文の草稿完成
6/1 小論文完成
6/5 出願&小論文提出予想質問集の作成開始面接対策の開始
7/6 受験
7/15,7/16 自大の院試
7/17 合格発表
7/21 学生寮優先権のメールが届く
8/8 研究室の配属内定メールが届く

 

対策編

TOEICの受験について

TOEICは合計3回受験しました。1回目の受験はノー勉で受けたので実質2回ですね。

私は11月からTOEICの対策を開始しましたが、NAISTに限らず大学の出願時にTOEICの点数を求められるのでもう少し早くからやってても良かったのかなと思います。それならもっと早く書けと言いたい

得点の推移は

645 => 675 => 780

て感じですね。

780点の内訳は

R:350 L:430 です。

1回目から2回目にかけてはReadingの勉強を中心に行っていましたが思ったように点数が伸びませんでした。そのため2回目以降はListeningを中心に勉強すると大きくスコアが伸びました!主な対策としては四六時中ずっとYouTubeの聞き流し音声を流し続けることです。とりあえず耳を英語に慣らしときましょう。

使った教材は大体こんな感じです

  • 公式問題集
  • 金フレ
  • 文法超特急

実際これくらいの教材でいいと思います。少ない参考書を完璧にするのが良いです。

 

数学対策

数学は教科書が指定されていますがめちゃくちゃマイナーです(大学の図書館にかろうじてあった)。それに加えて(少なくとも私にとっては)内容がなかなかにヘビーです。

ぶっちゃけるとほとんどの合格体験記にあるようにまず初めにマセマをやっておいたほうが効率が良いです。過去問を見る限り出題される問題はそんなに応用的な問題ではないのでまずはマセマの問題をすべて解けるようになることが大事です。

マセマは大体毎日4時間くらい勉強して線形と解析を合わせて1か月くらいで終わりました。

個人的にはマセマが終わった後は指定されている教科書の問題を解いたほうが良いです。先ほど応用的な問題ではないと書きましたが、実際問われた問題は教科書の影響なのか問題の問われ方に若干の癖がある気がします。

ただ模範解答が充実してないので解ききれないときがつらいですね。とりあえず線形代数に関しては解答集がネットに転がっていたので紹介します。

math.mit.edu

(下のほうのSolution Manualが答えです。版が違うので一部違いますが参考までに)

線形代数の教科書は結構本質的なことから書いていて面白かったり面白くなかったり

 

あと塾講師で高校数学復習するの超お勧めします!!!

 

小論文対策

ここが一番の鬼門です。やはり初めて書く人が多いので戸惑うと思います。

まずは研究室訪問の時に合格した人の小論文を頂くようにしてください。(必ずしも希望の研究室でなくてもいいです。とりあえずもらいましょう)

書くことは「NAISTで取り組みたい研究」「これまでの修学内容」の2点でした。(変わっていることもあるので要確認)

個人的に専攻を変えるか変えないかで小論文で気を付けることは変わってくると思います。私は専攻を変える予定だったので専攻を変える人にこの考えは当てはまると思います。

気を付けていたことは

  • 専門用語を書かない
  • 実現可能性は考えない
  • たくさん論文を読んで引用する
  • できれば今の専攻を生かせる内容にしておく

の4点です。

1つ目の「専門用語を書かない」は面接対策です。どうしてもなれない単語で質問されると、返答が難しくなりますし、意味を聞かれたときにはっきり答えられないと印象が悪いです。私は高校を卒業した人に説明できるくらいのレベルで書きました。

2つ目の「実現可能性を考えない」は専攻を変えたからこその強味だと思います。おそらくNAISTの風土として分野を超えた研究を推奨していると思うので、専攻を変えている人を歓迎しているようです。そのため専攻を変えるというある意味フレッシュさを強みにしようと考えました。そのため、「粗削りなところはあるけど斬新だ」と思う内容にしました。これが正しいかどうかは謎です

残りの「たくさん論文を読んで引用する」と「できれば今の専攻を生かせる内容にしておく」は言わずもがなですね。前者はやる気をアピールするため、後者は自分をアピールするためです。

 

また、情報を拾っている感じ、小論文はTexで書かれている人が多そうでしたので、私はOverLeafで書きました。(かっこつけたかったので)2段組みで書きました。

ja.overleaf.com

研究室を確定させてから定期的にその分野の論文を読みました。累計20本ぐらい読みました。理解はできませんでした。

草稿は1週間ほどで書き終え、在学していた研究室のメンバーに誤字脱字を訂正してもらい、サークルですでに他大学に進学した先輩に様々なアドバイスをもらい、最終的に在学していた研究室の教授にさらっと(3分くらい)読んでもらったものを提出しました。志望していた研究室では、「訪問の際に小論文を書く際に分からないことがあればいつでも質問、相談してください」とのご厚意を頂きましたが結果的に一切質問等は行いませんでした。これは前述の「実現可能性を考えない」と同様の理由です。

小論文は自分が完全に理解していることが一番大切です

面接対策

面接対策としては予想質問集をあらかじめ作っておきました。おそらく100問くらいだと思います。結果的に予想外の質問が多くて役に立ちませんでしたがお守りとしては十分な役割を果たしてくれました。正直面接は相性と運です

 

その他

専攻を変えるため、とりあえずのやる気アピールとして基本情報技術者の資格を同時並行で取得しました。面接の際にはとりあえずアピールしました。べらぼうに難しいわけではないので取得するのはありだと思います。(院試以外でも割と役に立ちます

 

受験本番編

試験形式はNAISTが丁寧に説明しているのでそちらを見てください(私はすべてオンラインでした。)

事前接続

受験の一週間前に接続チェックのために事前接続がありました。受験はすべてwebexで行われます。マイクとカメラの確認とスケッチブックの文字がはっきり見えるかどうかの確認が行われました。3分もたたずに終わり、向こうの先生も割とテキトーにやってたので私服でも全然いいと思います。

 

試験当日

スーツで受験をしました

まず入室すると第一志望かどうかの確認が行われました。合否に全く関係ないと言われましたが第一志望だというほうが無難ですね。

数学

その後は数学の試験です。先ほどの確認から5分ほど待たされたのち2人の面接の方がルームに入られて試験が始まりました。(志望していた研究室とは違う先生でした)数学は10分間で2問を解き、かつ解説までしなければならないので時間的に間に合わないと思い1.5完を目指していました。(周りの受験生もそんなイメージで受けてた気がする)

問題は

  • 和積の公式の証明
  • 固有値ベクトルを求める問題

でした。1問目の解析では難しい積分を予想していたので若干拍子抜けしましたが、落ち着いて加法定理から証明しました。ここは2分もかからなかったのでラッキーでした。

続いて2問目ですが、2問目は問題を見ても解法が浮かびませんでした。ぱっと見微分方程式みたいな問題だったので範囲を見誤ったかと本気で焦りました。この後を説明するのは難しいので実際の試験官とのやり取りを書いてみます。

 

私「この問題の解き方はわからないですねぇ... 微分方程式ぽいですけど(震え声)」

試験官「(感心した感じで)なるほどねえ、じゃあこここうしてみたら?」

私「こうですか(いわれたままに式変形するも何もわからない)」

試験官「そうそう!そのあとこの変数に着目してみて!」

私「あーなるほど、固有値ベクトルの問題になりますね」

試験官「そのとおり!!!!!」

私「(そこまで教えるんかい!)」

 

といった感じで解き進めて完答してしまいました。思った以上に試験官の人がラフで解法までアドバイスしてくださったので驚きました。僕の経験から言うと基礎的なことがしっかりと身についておけば後はどれだけ試験官の人からアドバイスを引き出せるかどうかが重要だと思います。

面接

面接は志望する研究室の教授と准教授、そして第二志望の研究室の教授の3人の方と行いました。10分程度ですが配点の半分近くを占めているのでここが天王山です。私はとりあえず黙り込まないこと分からないことははっきりわかりませんと言うことを意識していました。

聞かれたことは

  • 専願かどうかの確認
  • なぜ専攻を変えようと思ったのか
  • (ソフトウェア系なので)開発経験はあるか
  • 書ける言語、使える技術は
  • 小論文の内容ってすでにありそうだけどどう?
  • (小論文に機械学習を含んでいたので)なんで機械学習なの?
  • 引用論文のここ説明してみて
  • 最後に何かある?

くらいだったと思います。終始割と和やかな雰囲気で行われました。

困った質問が「小論文の内容ってすでにありそうだけどどう?」「引用論文のここ説明してみて」の2つでした

「小論文の内容ってすでにありそうだけどどう?」と聞かれたときに私は背筋が凍ったのを覚えています。「リサーチ不足か?」と動揺しつつも、

「私が調べた限りではこのような手法での研究は行われていないです」と返しました。向こうからは「そうなんだね」と返されたので質問の真偽はわかりません。

「引用論文のここ説明してみて」と聞かれましたが、その引用論文が唯一の英語論文であったので割とふわっとした説明になりました。何か突っ込まれたら終わりでしたが「ありがとうございます」とだけ返されました。

 

面接の手ごたえは正直よくありませんでしたが、Twitterを見る感じ度の受験生もそう感じていたみたいなのでそんなもんなんだと思います。

 

あとおそらく面接をする人たちはあまり小論文を読んでいないと思います。少なくとも僕の場合はそう感じました。教授は忙しいですからね

 

ちなみに数学と面接の間に15分ほど待たされました。その時は1時間にも1日にも感じられるくらい長い長い待機時間でした。

 

合格発表&自大の院試編

受験の手ごたえは50:50でした。正直どう転んでもおかしくないと思っていました。

そんな状況で自大の院試を受けなければいけません。この時ほぼノー勉でした。1週間で完璧にできるはずもなく気持ちも切れたので適当に勉強して適当に受験しました。

 

合格発表は10:00にWEB上で行われました。PDFを開くと自分の番号が吸い込まれるように見えたのを覚えています。この時はうれしかったというよりも安堵の気持ちが大きかったです。

その5日ぐらい後に入学後の手続きのメールが届き、その1時間くらい後に学生寮優先権のメールが届きました。まさか優先権までもらえるとは思っていなかったのでうれしい誤算でした。

 

ちなみに郵送で合格通知などは届いていません。入学意思確認書は出したので大丈夫なはず。ほんとに合格したのかな

 

最後に

院試は大学受験とは違い情報戦も大きなウエイトを占めます。また、友達や研究室のメンバーが就活や院の推薦などでGWくらいに続々進路を決めていく中で、7月まで進路が決まらず落ちた場合は秋就活と院試の勉強と卒論を並行しなければいけないプレッシャーはなかなかきついです。

 

思ったより長くなりましたね...

この体験記がお役に立てれば幸いです!

(相談等もWelcomeです!)